アスパラです。
種をまいて育てているマリーゴールドがおととい小さくはありますが花を出し始めました。
より愛おしく思える。
これからもすくすくと育っておくれ。
バイトの昼休みに読んでいた「想像ラジオ」。
つい最近読み終わった。
これがまたいろんなことを思い出し考えさせてくれる。
想像ラジオはいとうせいこうさんの代表作。
あらすじとしては、
深夜2時46分。海沿いの小さな町を見下ろす杉の木のてっぺんから、「想像」という電波を使って「あなたの想像力の中」だけで聴こえるという、ラジオ番組のオンエアを始めたDJアーク。その理由は、、、、。
というものです。
察しの良い方ならわかるかもですが、これは東日本大震災を背景にしていて生者と死者の新たな関係を書き出している物語です。
主人公DJアークは津波により杉の木のてっぺんまで流されてしまい、実はすでに亡くなっている死者。
序盤のほうでDJアークは自分が死者であることに気づくのですが、「想像ラジオ」を止めない。それはある理由のためですが。
想像ラジオのリスナーの中には死者以外にも生者もいる。
むしろDJアークは両者の声にも耳を傾けて答え、聴いている。
じゃあなぜ両者がお互いの声を聴けるのか。
それは「想像すること」なのです。
作者のいとうせいこうさんは
「生者と死者は持ちつ持たれつの関係で生と死どちらかがあるだけではなく、ふたつでひとつ。
例えば生者は死者のことをしじゅう思い出し生きていき、死者はそれをもとに存在し、生きているものを通し考え、一緒に未来を創っていく。」
と考えている。
僕、この考えであることを思ったんですけど、
去年の春に僕の中学の同級生だったの女の子が事故で亡くなってしまって、正直ほとんど話したことがなかった子だったんです。
ですが去年の旅中も、今でもふっと思い出すことがあるのです。頻度が高い時もあります。
亡くなっちゃったのはわかっているけど元気かなあと。
今は何をしているんだろうなあ、、とか。
話したことがあまりなかったのに。不思議なんですけどね。
後のいとうせいこうさん本人による解説で、は死んでしまった人のことを思い出せば、自然にその人との時空は現れると考えていて、
この小説では死者のいるその場所を「想像の世界」と呼んでいます。
僕はなんだか妙に納得がいきました。
だから僕はその子と何回も「想像の世界」で会っていたし、
ほとんど話したこともなかったけどこのままで忘れられずに思い返してもいいということを思わせてくれたわけであります。
僕自身、死んだ人は「心の中で生き続ける」という言い方があまりしっくりきていなかったんですけど
「想像の世界でまた会う」こっちのほうがなんか良いですね。
よければみなさんもそう思う方がいるなら想像の世界で会ってみてください。